図解でわかる!症例別症状解説 耳の病気


鼻の病気

主な耳の病気

鼓膜炎

 外耳と中耳の境界である鼓膜鼓膜自体に炎症が起きている状態です。鼓膜の表面に水疱ができる水疱性鼓膜炎と鼓膜表面に肉芽やびらんができる肉芽腫性鼓膜炎があります。外耳道炎、耳垢栓塞などが鼓膜におよんだ場合に起こります。また、水疱性鼓膜炎インフルエンザやかぜなどのウイルス感染をきっかけに発症するケースもあります。
水疱性鼓膜炎は、激しい耳の痛みをともない軽い感音難聴、耳鳴り、耳がつまったような感じ、耳の奥のかゆみなどが起こります。肉芽腫性鼓膜炎は、慢性の耳だれが特徴で鼓膜が肥厚化すれば耳がつまったような感じ、耳鳴りなどの症状が現れます。

急性中耳炎

 細菌による化膿性炎症で、鼓膜の内側の空間である中耳に炎症が起きた状態です。ほとんどの場合かぜをひいたあとにのどや鼻にいるウイルスや細菌が耳管を通って中耳に感染して起こります。副鼻腔炎など鼻の粘膜に炎症を起こす病気が誘因になることもあります。急性中耳炎を繰り返すと、やっかいな浸出性中耳炎になることがあります。
耳が痛み、聞こえが悪くなったり、耳だれがでることがあります。小さな子どもでは耳痛を訴えず発熱のみのこともありますので、耳を気にしている様子がみられる時には、耳鼻咽喉科専門医の診断が必要です。

外耳道炎

 外耳道の皮膚に炎症を起こす病気で、痒みや痛み、灼熱間などを訴えます。耳閉感、耳鳴り、難聴を訴えることもありますが、ほとんどの場合、炎症がおさまればこれらの症状も消えます。酷くなると耳だれといって耳から膿のような液体が流れ出るようになります。
外耳道炎を起こすきっかけの大半は、耳掃除などでできた小さな傷が原因で細菌が感染・増殖して皮膚に炎症を起こすようになります。繰り返される外耳道炎は、糖尿病や免疫疾患など全身状態の悪い人にみられることがあるので要注意です。

慢性中耳炎

 急性中耳炎がひどくなると鼓膜に穴があき、なかにある膿を出し炎症を治そうとするはたらきがあります。この時にあいた穴は自然に閉じますが、中耳炎を繰り返したり治り方が不十分だとこの穴が閉じなくなります。鼓膜に穴があいているため、外耳道を通して中耳に汚い水が入ったり、風邪をひくなどにより耳管を通して細菌感染が中耳に起こり、耳だれを繰り返すなどの症状がでます。これが慢性中耳炎です。
鼓膜に穴があいているため音が伝わりにくくなる上、耳小骨の周囲に炎症が及び、耳小骨の動きも悪くなります。その結果、難聴が出現します。内耳にも影響を及ぼすと、内耳性難聴やめまいが出現してくることになります。一般に、急性中耳炎、慢性中耳炎という場合は化膿性中耳炎を指します。

内耳炎

 内耳炎とは、主に慢性中耳炎の炎症が、中耳と内耳を隔てている内耳窓を通して内耳に広がって起こる病気です。時には真珠腫性中耳炎によって内耳の骨が破壊され、そこを通して中耳腔の炎症が内耳に及ぶものや、髄膜炎になった時に炎症が内耳に波及するなど、他の経路から起こるものもあります。
 慢性中耳炎の炎症が内耳に少しずつ及んでいく段階で、内耳障害が起こり、最初は軽いめまいや難聴、耳鳴りが 生じることがあります。内耳炎に進行すると、聴力が大幅に低下し、回転性めまいも現れてきます。

耳癤(じせつ)

 外耳道の入り口近くの毛穴からブドウ球菌などの化膿菌が侵入して、化膿を起こす病気です。外耳道の軟骨部の分泌を行う組織が感染を起こすと膿の塊をつくります。つまりにきびやおできと同じものが外耳道内にできます。耳かきや爪などの外部からの刺激による感染がほとんどです。
 一般的な外耳道炎に比べるとかなりの激痛を訴え、眠れないこともあるります。とくに耳にさわると痛みが増し、食物をかんだりすると耳に響いて痛み、その痛みが頭痛として頭部にまで広がることもしばしばあります。多くの場合は外耳道の入口にできますが、外耳道の内側にできた場合はさらに痛みが強くなります。

耳介軟骨膜炎

 耳介に炎症のおこる病気で、外傷、耳の手術後、凍傷、外耳・中耳の炎症、耳血腫の化膿などが原因でおこります。外耳や耳の中の炎症が波及することもあります。耳介前面は皮下組織が少ないために、感染や機械的刺激により炎症が軟骨膜に容易に及びます。ひとたび軟骨膜に炎症が及ぶと耳介全体に波及し、耳介の腫脹・血腫・変形をおこします。
 耳介全体が不規則に浮腫状に赤く腫れ、熱も出ます。耳介の灼熱感があって、激しい痛みをともないます。多くは片側の耳介だけに起こり、ほうっておくと徐々に軟骨が壊死し、耳介が変形することもあります。

耳性帯状疱疹

 水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスによって起きる疾患です。このウイルスに感染すると、まず水ぼうそうを発症します。水ぼうそうの症状は10日ほどで治りますが、ウイルスは神経細胞の中に潜み続けます。そして、免疫力が低下したときに再び活動を開始して、帯状疱疹を引き起こします。帯状疱疹は額や首、胸などにもできますが、耳に起こる場合を「耳性帯状疱疹」といいます。
 発熱、寒けなどとともに耳介、外耳道に小水疱ができ、激しい耳の痛みもともないます。軟口蓋など、口の中にも発生することがあります。また、顔面神経まひをともなうことが多く、顔面神経まひのほかに、感音難聴、耳鳴り、めまいなどの内耳障害をともなうものをラムゼー・ハント症候群といいます。

突発性難聴

 生来健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に 通常一側の耳が聞こえなくなる病気をいいます。その障害が内耳の前庭半規管(ぜんていはんきかん)にまで及ぶと、難聴にめまいが伴って起こります。原因は不明です。今のところ内耳の障害の原因としてウイルス感染説、循環障害説などが考えられています。
 通常、片耳に発生することが多いのですが、まれに両耳に同時に発生することもあります。また、耳鳴りやめまいが難聴の発生と前後して生じることがあります。なお、めまいには吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

メニエール病

 メニエール病は内耳の病気で、繰り返すめまいに難聴や耳鳴りを伴うものです。一般に、片側の内耳の障害ですが、時には両側とも障害されることもあります。原因は不明ですが、その病気の本体は内耳の水ぶくれ状態(内リンパ水腫)ということがわかっています。
 めまいと同時に耳鳴りが起こったり、耳が聞こえずらくなったりします。耳のふさがった感じのすることもあります。ただしこういった症状は、めまいが良くなると軽快します。めまいが激しい時は、これらの症状以外にも吐き気、嘔吐、冷や汗、動悸などが起こり、かえってこれらのほうが苦しいこともしばしばです。めまいを繰り返す間隔は人によって違い、数日、数週間、数カ月、あるいは1年に1回などさまざまです。