よこで耳鼻咽喉科

TEL 048-295-8733

患者さまの体験談

当クリニックにて「無呼吸症候群」の
治療を受けた方の体験談です。

いびき外来を受診した理由

家族から「いびきが酷くて同じ部屋では眠りたくない」と以前から言われていましたが、私には全く自覚がありませんでした。しかし50歳を目前にして『日中、眠くて困る』『運転中にも睡魔が襲う』『夜間、熟睡できない』『1日2回はトイレで目覚める』『口が渇く』『目覚めが悪い』『むくみ』『体重の増加』と一年ほど前から身体の不調を感じ始めていました。強い眠気と倦怠感を「年のせい」と思い日常生活を過ごしていました。

受付

しかし、このままでは身体を壊してしまうと考え、週に2〜3回スポーツジムに通い始めました。しかし、2ヶ月経った位からなぜか以前よりも眠気に襲われるようになり、さらにその1か月後には血圧が上昇してきました。それからは軽くウォーキングする程度でお風呂にゆったり入るなどしてリフレッシュすることにしました。ただ、この「眠気や血圧」は何故なのか疑問に思っていましたが、これも年のせいと安易に考えたために症状が悪い方向に向かってしまったのです。

それから1か月後、私はいきなり目眩を感じました。寝ている状態から起き上がろうとした瞬間視界が回り、頭を動かすと強い揺れを感じ、立ち上がることもできませんでした。初めての体験で、これは脳梗塞かもしれないと不安になり、そのせいか動機もしてきました。幸い家族がいたので救急搬送をしてもらうことができました。
診断は【良性発作性頭位めまい症】という内耳の障害が原因で生じる目眩のひとつで、原因は加齢(年のせい)とのことでした。
5日分の薬を処方してもらいましたが、その後も軽い目眩やむかつき、不安定な気持ちが続いていたこともあり、スギ花粉症でお世話になっているよこで耳鼻咽喉科へ受診しました。
その時に、以前から気になっていた【いびき外来】についても受診することにしました。

1泊検査入院

必要な荷物を揃えます。
パジャマ、スリッパ、下着、飲み物、夕食のお弁当、入院会計費。ただ、パジャマ、スリッパなどは別途負担にはなりますが貸し出しもあるそうです。

お部屋

夕方17時から17時半の間に来院。診察券を受付に出し一般診療を待ちます。血圧、体重を測り診察後問題がなければ次回の予約(シーパップの処方を受ける場合は説明に1時間要します)と会計を済ませて、技師さんに検査入院の部屋に案内されました。

その後、部屋でテレビを観ながら夕食を済ませ、シャワーを浴びて髪をしっかりドライヤーで乾かし、準備を整えた後技師さんに声を掛けます。20時頃から20〜30個ほどのセンサーを身体に粘着テープで取り付けられました。頭部に貼り付けた電極が睡眠時に寝返りなどで外れないように、頭に網状の包帯を掛けます。痛みはありませんが、作業に1時間弱かかるので眠くなります。仕上がりは、体中センサーだらけで笑っちゃいます。
このセンサーは睡眠の質や睡眠中の脳波、異常行動、不整脈などを検査するものです。

消灯は21時となっていましたが、センサーの取り付けでウトウトしてしまったため、眠気が飛んでしまいました。これってよくあることだそうですよ。
技師さんに「まだ眠れなければソファーの方に居ていいですよ。」と言われ、しばらくテレビを観て、21時半にトイレを済ませ、センサーが接続されているかもう一度確認したのち就寝しました。

就寝時、センサーが邪魔になるかと思っていましたが気になることはありませんでした。もちろん身体を大きく動かすことはできませんが、寝返り程度なら問題なかったです。ただ、やはり初めての場所ですので全然眠れず、その後4回もトイレにいってしまいました。せっかく入院までしたのに検査できていないのではと不安になりました。

前日に技師さんに起床時間を聞かれましたので、朝6時に起こしてもらいました。センサーを外してもらってからシャワーを浴びて身支度を済ませ、裏口ドアからの退院となります。

余談ですが、頭部に取り付ける電極ペーストが髪にべっとりと付着していますので、シャワーを浴びた方がよろしいかと思います。それから技師さんは夜間交代されます。夜中に目覚めたときや朝起床されたとき、交代することは知っていましたが一瞬ビックリします。
私は夜間4回トイレに行きましたが、いつ交代したか気がつきませんでした。

検査結果・睡眠時無呼吸症候群の診断

検査結果は、2週間弱で分かります。前回予約した日にちに受診します。検査入院した日は全然寝た気がしなかったので、検査できているのか不安でした。

さて、検査結果です。
私の場合、無呼吸低呼吸指数が1時間あたり31.7回。最も長い無呼吸時間は37秒。
数字だけだと分かりづらいですが、私は重症の部類のようです。
その他細かい検査結果も出ています。初診の時のチェックシートで分かってはいましたが、現実を目の当たりにして「これは病気なのだから治療しなくては」と考え、重症者にはシーパップという「鼻マスク」の使用を勧められ、早速処方を受けることにしました。

シーパップ治療の説明

詳しいシーパップの治療内容は、技師さんから説明を受けます。
まず、シーパップ療法は根治治療ではないということ。しかし、毎日続けることで確実に効果が現れるということでした。
検査の結果が一定の基準を満たせた方のみ、健康保険が適用されます。その場合は必ず月1回の診察が重要なのだそうで、気になる費用は月々5千円くらいです。

待合室

次に、シーパップの使い方を教わります。とても簡単で、マスクを装着して寝るだけです。つけ始めはマスクの周りから空気が漏れてきますが、技師さんが調整してくれます。空気が漏れるからとヘッドバンドを強めに締めてしまうと痛みや、顔に跡が残ってしまいますので注意が必要です。
それから、口を開けて寝ているので、鼻呼吸をするためにサージカルテープで口を覆って就寝するよう助言をいただきました。

そして生活習慣の改善を指導してもらいます。
私の場合
① 減量
② 横向きでの睡眠
だそうです。

シーパップのお手入れ方法も教わりました。面倒くさがりの私には酷なメインテナンス作業になります。できる限りやってみることにします。

シーパップ治療の開始

技師さんからシーパップ一式を渡され、「何か困ったことがあればいつでもご連絡くださいね。」とお言葉を掛けていただきました。
さあ、早速装着します。
機械を枕元に設置。サージカルテープで口を覆い、鼻を覆うようにマスクを装着します。治療オンのボタンを押すと送気が始まります。機械音はありません。いざ就寝です。

やはり初日は違和感がありました。横向きになる時、空気が漏れているように感じて何度も直したり、就寝中に溺れているかのような感覚になり、無意識にマスクを外してしまいました。
私の場合は、1時間に32回、無呼吸と低呼吸を繰り返していたらしく、その無呼吸の時に強制換気として空気を送り込んでくるのでびっくりして目を覚ましてしまうのです。
そんな時の対策も技師さんに教わっていたことを思い出しました。ランプボタンです。
使用中に息が苦しくなったらランプボタンを押すと送気が下がるので楽になります。

患者さま検査の様子

ただ目覚めたといっても寝ぼけていますし灯りもない状態なので、1回でランプボタンに手が届くことは希です。送気停止ボタンを押してしまい、息ができないとアタフタしているうちに目が覚める。夜中にこんな状況でいることに、ひとり苦笑いしながらまた就寝し朝を迎えました。

寝た気が全くありませんでしたが、それなのに身体がスッキリとした感じなのです。
しかも、日中に眠たくなることがありませんでした。昨夜は何度も目覚めていたので、逆に身体はつかれているはず……と思っていたので驚きました。

マスクをして就寝することに徐々に慣れていきましたが完璧ではありません。まだまだ寝ぼけて溺れていましたが、2週間ほどで身体も慣れてきました。

シーパップ治療を始めて1ヶ月

治療を始めて1ヶ月が過ぎました。月1回、受診の初日。シーパップ機器に差し込んであるSDカードを抜き取り持参して通院です。このSDカードは機器が機能しているかの確認で、次回からは持参する必要はないとのことです。

お部屋

私は睡眠時、自身がどう呼吸しているのか、良い睡眠が取れているのか、機械の取扱はきちんとできているだろうか、と不安な気持ちでいましたが、先生から「無呼吸がほとんどないですね。」とおっしゃっていただき、安堵しました。

ただ、無呼吸が無くなったわけではなく、呼吸が浅くなったところで空気が送られてくるので身体に酸素が入っている状態になっているとのことでした。
1ヶ月過ぎましたが、まだまだ空気の風圧で息苦しさがあります。それは無呼吸になっているために空気の風が段階的に増してくるためです。
その時は元の風圧に戻すボタンを押すと送気が戻ります。
「あ、今息してなかったのね。」と自身で気がつくことができます。

シーパップ治療を始める前と始めた後では劇的に体調の変化に驚かされました。
① 毎日の日中の睡魔との戦い。必ず30分は横にならないと頭がクラクラしていたのに眠くならないのです。その結果集中力もアップしました。
② 夜中に2回はトイレに行っていましたが、それがゼロになったのは本当に嬉しい。それでもたまに夜中に起きてしまうことはありますが……。
③ 毎朝目覚めがいいです。ぐっすりと良く寝たなという気分になります。

シーパップ治療に出会えて感謝しています。ただ、いびきや無呼吸を少しでも改善するには機械だけに頼らず肥満をどうにかしなければ。これが一番難しいですね。