アレルゲンの種類と対策
あなたの症状を引き起こす原因は?正しい知識で、効果的な対策を始めましょう。
I. 通年性アレルゲン
一年中症状が出やすいアレルゲン
生活環境に常に存在するため、ほぼ年間を通して症状が出やすいタイプのアレルゲンです。
ハウスダスト
室内のホコリのことで、アレルギーの原因となる様々な物質(ダニ、カビ、人の皮膚片、繊維くずなど)の混合物です。体質によっては強い反応を起こすこともあります。
主な対策
- こまめな掃除(特に寝室)を心がける。
- 空気清浄機を活用する。
ダニ
日本のアレルギー性鼻炎で最も多い原因です。特にダニの死骸やフンがアレルゲンとなります。布団、カーペット、ソファ、ぬいぐるみなどに多く生息し、湿度60%以上で繁殖しやすくなります。
主な対策
- こまめな掃除、布団乾燥、防ダニ寝具の利用。
- シーツや布団カバーは週に1回以上洗濯する。
- 部屋の湿度を50%前後に保つ。
カビ(真菌)
浴室、台所、エアコン内部など湿気の多い場所に発生します。アスペルギルス、クラドスポリウムなどが代表的で、特に夏から秋に多くなります。
主な対策
- 除湿と換気を徹底し、カビを取り除く。
- エアコンのフィルターを定期的に清掃する。
ペットの毛・フケ
犬、猫、ハムスター、ウサギなどが原因となります。毛そのものではなく、主にフケや唾液、尿中のタンパク質がアレルゲンとなり、微細で空気中を漂いやすいのが特徴です。
主な対策
- ペットを洗い、こまめにブラッシングする。
- 空気清浄機を使い、寝室など部屋を分ける。
昆虫(ゴキブリ・ガ)
ゴキブリの死骸やフン、ガの鱗粉などもアレルゲンとなります。特にゴキブリは台所・排水溝周辺に多く、吸入すると喘息や鼻炎を悪化させることがあります。
主な対策
- 害虫の駆除、清掃、台所の管理を徹底する。
II. 季節性アレルゲン
花粉症の原因となるアレルゲン
特定の季節に大量飛散する植物の花粉が原因です。日本では約60種類の植物が花粉症を引き起こすと報告されています。
春の花粉(2月〜5月)
スギ花粉 (2月~4月)
日本で最も多い花粉症の原因。粒子が小さく、鼻だけでなく目にも症状が出やすいのが特徴です。
ヒノキ花粉 (3月~5月)
スギ花粉に続いて飛散のピークを迎えます。スギと重複して症状が長引くことがあります。
夏の花粉(5月〜7月)
カモガヤ、オオアワガエリなど(イネ科)
初夏に発症することが多い花粉症です。河川敷や公園、空き地など身近な場所に生えています。
秋の花粉(8月〜10月)
ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど
秋の花粉症の代表格です。都市部の空き地や道路沿いに多く、咳や目にも症状が出やすいです。
III. 職業性アレルゲン
特定の職場で問題となるアレルゲン
特定の職場環境で日常的に接触することで起きるアレルギーです。
小麦粉・そば粉
主な職業: 製パン業、蕎麦店など
「パン職人喘息」など、鼻炎や喘息の原因となります。
木粉
主な職業: 大工、家具職人など
木材に含まれる成分に反応して症状が出ます。
ラテックス
主な職業: 医療従事者など
手袋や医療器具に含まれる天然ゴム由来のタンパク質が原因となります。
原因アレルゲンの特定が重要です
効果的な対策を行うためには、まずご自身の症状の原因となっているアレルゲンを正確に知ることが不可欠です。当院では、簡単な血液検査で複数のアレルゲンに対する反応を一度に調べることができます。「何となく」ではなく、原因をはっきりとさせて、あなたに合った治療と対策を始めましょう。
つらい症状をあきらめる前に、
まずはお気軽にご相談ください
専門医があなたの症状を丁寧に伺い、最適な治療法を一緒に見つけます。
快適な毎日を取り戻すための一歩を、ここから始めましょう。